愛がどうだ 恋がどうだ
考えるのもめんどくさくて
他人なんて 気持ち悪くて
放っておきゃいいのが基本なんだって
それでも大切にしたい
君が愛おしいってこと
静かな美術館に
並ぶポンペイの出土品のグラス
ウィンドウに顔近づけた ふたりの君が
手招く こめかみが熱く
はなしたくねえ
営みだって 秘め事だって
人がいる数だけわけがあって
広めるなって 笑うなよって
放っておかれなくなるぞ 自分だって
心でぎゅっと育てたい
君が愛しいってこと whoa
ゆれてしまった炭酸
つめたい朝のシンク
台風が去ったあとの雲の影
自力ではどうしようもないエネルギーを
自分の中に見つけたとき
戸惑いと喜びが同時に走り出す
夜に押しつぶされそうになるほど 君の存在が大きくなる
物語に浮かれそうになる自分を疑ってかかる
なのに
あふれる泡
強い温もり
金色の光
嫌な予感すべてをすっぽかしたくなる
1.0倍速で読み終えた
ハン.ガンの『菜食主義者』の感想
消費せず 押し付けもせず ふたりのあいだ
漂う 花筏の如く
はなしたくねえ
愛がどうだ 恋がどうだ
考えるのもめんどくさくて
なのになんで なのにどうして
君がいるだけで力が湧いちゃう
夏い日差しが 白い瞼
その上の青い血管 浮かびあがらせた
美しいな 抱きしめたいな
って衝動 検証すべく持ち帰った また
あとどれくらい悩んだって
君が愛おしいってこと
大切にしたいんだ
Power (pop) of love!