遠くで唸る何かが
飛び去る飛行機みたいに響く
世界が鳴ってると
寝惚けてることに気付き寝返りを打つ
窓を開けて未だ隔たる
過ぎ去るバイクを横目に見ていた
風になりきれぬような
色褪せた空気が迷い込む
庇の影の向こうに雲
その後ろの薄い光も
まだ こちらを見ていない
エーエムを合わせる間
針に差すフラットな青に触れた
静寂に隣り合う砂嵐が
君の産毛を滑る
下らないことを考え出したら
全てが終わる気がする
陽射しの潜りぬけていく窓
床に写る淡い形も
まだ こちらを見ていない