曇りきった空と 排ガスが隠す街
軋むドアを蹴って ふらついて外へ出る
色を忘れた声で ラジオから響く呪文
その通りさきっと 正しいんだ全てが そして僕も
呼吸は冷えたシャワーを浴びるように
それに育つ葉が落とす影
音も立てず広がってここを覆う
白く染まって歪んだ時間の中 溶ける
見えなくなっていい
奪われるものなんて
一つも無いからさ
憂いと愛を吸って 吐き出した君の部屋
不確かな距離を埋める靄 この場所で痛みを知った
窓の外に響いたクラクションに
混じる怒号 いくつかの靴音
滲む視界にこの色を混ぜて
やがてくる闇に全て隠して 逃げる