通貨もない 国家もない まったく誰でもない
生まれた 生まれた 何者かが生まれた
家族が一つ 暗い洞窟に 生まれた
言葉が意味を持ち そして虚構が物語られた
甘い実のなる 大地に ただ風が吹いてた
やがて大地に 宗教が生え 神が生え
海を越え 差別と搾取が 生まれた
血と涙が流れ 時が流れ 流れた
産業革命で 神話が滅び ポストモダンが栄えた
直線に囲まれた 大空に ただ雲が流れた
文明が火を噴き 大地を熱波が奪った
サピエンスのゲノムを 無機物が奪った
なんにもない 蜘蛛の巣に 微かに
やつらの足音が聞こえた 電脳プラグの彼方より
デジタル信号とともに やつらがやって来た やって来た やって来た