やさしいどろどろ、
何かが始まりそうな季節だった
やさしいどろどろ、かき混ぜられた坩堝
夜の向こうを流れる美しい音楽と景色
焼き付いて
取り憑いて
浅葱色の髪を揺らし声を響かす少女と
金色の髪を靡かせ心を盗み去る魔女が
焼き付いて
確かに見たんだ
笑う0と1
まだ目の開ききらないわたしたちの手を引いて
あなたは「はじまり」を見せてくれた
そのきらきらして、熱くて、速い、世界を見て
わたしもそこへ行きたいと思ったんだ
それは儚いこと
それは終わること
それは残ること
まだ何も知らなかった
やさしいどろどろ、夢幻
まだ覚えてるよ
ずっと忘れないよ
もうそこにはいないけれど、わたしたちがであったあの日を