足元に落ちた影の形
何度目を閉ぢても消えなくて
耳に殘る會話の斷片
遠ざかる背中の跡を追ふ
あぁ また考へてゐる
止まらない思ひが交差する
結び直した靴紐が解けて行く
どうしよう どうしよう ねぇ
出口の無いこの感情に
どうしよう どうしよう ほら
廻り續けるこの心
街の燈りが滲む度
昨日の自分が遠くなる
何處に進むべきかも分からず
同じ景色を繰り返してゐる
あぁ また戻つてゐる
同じ場所に留まる足音が
私を取り圍む
どうしよう どうしよう ねぇ
止められないこの思考の渦
どうしよう どうしよう ほら
夜が明けても消えない
時計の針が進む音
風が窓を叩く音
どれもただ通り過ぎる
私だけが動けない
どうしよう どうしよう ねぇ
夜明け前のこの孤獨に
どうしよう どうしよう ほら
進むことも戻ることもできない