同じ部屋で違う空を見ている
語らない言葉が宙を漂う
時計の針は進むが、
二人の影は交わらない
近づくたびに遠ざかる
透明な壁が視線を裂く
交わらない軌道に描かれるのは
ただ二つの点と点
振り返る足跡は同じでも
歩く速度が決して揃わない
沈黙の狭間で響くのは
かすかに乱れる 呼吸音だけ
風が吹くたびに削られる輪郭
溶けない霜のように漂う不確かさ
近づくたびに遠ざかる
透明な壁が視線を裂く
交わらない軌道に描かれるのは
ただ二つの点と点
差し出した手の先にあるのは
薄れる温度と消えゆく影
重ねた記憶さえ歪んでいく
呼応しない声が波紋を残す
近づくたびに遠ざかる
透明な壁が視線を裂く
交わらない軌道に描かれるのは
ただ二つの点と点