どこに向かふ
わからない
足もとがゆらぐ
きえない轟音が胸の奥をつつく
みぞれ雨の下
叫びたひけど声が
つめたき街角に
飲み込まれてゆく
かすれたことば
だれも気づかない
心のかけら
どこにある
ぶつかつて
はじけ飛ぶ
何も見えない
今ただ
このなかにあつた気持ちが
なにになれるのか
知らない
時計の針が動く音が重い
ゆび先からすべる夢がやける
きのふの記憶もいらないと思ふ
だけどふかく刺さる痕跡
消えさうな自分
だれにわかる
かたちを変へる気持ちがこはい
ぶつかつてはじけ飛ぶ
何も見えない
今ただ
このなかにあつた
気持ちが
なにになれるのか
知らない
こたへを聞きたひけど
聞きたくない
ひび割れた鏡の向かふ
だれが見える
ぶつかつてはじけ飛ぶ
何も見えない
今ただ
このなかにあつた気持ちが
それでも生きてゐる